年末の忙しい時期にやっていたunity1week1週間ドタバタ(お題「あける」)
2020年12月21日(月) 00:00 〜 2021年1月10日(日)20:00に開催した「unity1週間ゲームジャム(通称unity1week)」にて参加した記録です。
Unity 1週間ゲームジャム お題「あける」 | フリーゲーム投稿サイト unityroom
今回の自分の作品はこちらです。
初明りのメサキバナ | フリーゲーム投稿サイト unityroom
今回は開発時間確保するのに苦労しました。開催が年末時期なので自分の仕事の都合もあってクリスマスだけはさすがにリアル優先しました。なので前回よりはミニゲーム風として作ろうと思った次第です。
以下、内容を簡単に書きます。
1日目深夜~:お題発表直後
発表されたお題である「あける」。さてどうしようか、ドア開けるとか箱開けるとかありきたりなものはできるだけ避けようかなと思いましたが、前回色々やり過ぎたピコハンクライマーに対して今回あえて普通を作ってみようとも考えてました。
自分が作りたいと思ったものはunity1week参加回数のキャリア含め大体終わってるので、これからはゲームやる人に合わせていかなければならないんだろうなぁと。かといってヒネり過ぎたらゲーム1週間で出来ないだろうし…。
…という風に考えた結果、またしてもお題のこじづけをやる計画へ。やっぱり自分がやりたい斬新なゲームを考えるのは苦手ですね。
で、まずは今回決めた作るものですが、無双タイプのゲームにしました。
最近出た有名なものだと「ゼルダ無双 厄災の黙示録」でしょうか、アレはクォリティ的(というか遊び方的)に1週間で作るの絶対無理なので、もっとお手軽で気持ち良いものに加え誰でも短く終わらせる(しかもできるだけ時間意識無し)ということを目標にしようと思いました。
そしてもう1つ目標がありまして…、(↓)
最近トラックボール(LogicoolのM570t)を買ったのでこのトラックボールでも気軽にできたらなぁと思い、操作も細かいのを抜きに簡単にする計画も考えました。
まず操作ですが、例のごとくマウスドラッグで動くタイプにして、画面中央をマウスポインタのホームポジションとしてカメラを追従させることにしました。これでとりあえずマウスの運動量は多少少なくなるはずかなと。
次にゲームの流れを大雑把に計画、プレイヤーはカメラ中央、周りに敵が居てそれをやっつける…というところまでやってとりあえずこの日は就寝。
1日目~2日目:先にグラフィックから
無双タイプに決めたのでキャラは作っておかなくてはならない、というわけなので作るわけですが、ゲームの流れが思いつかず作業がなかなか進めなかったので、ちょっと無心でキャラ書いてみようと思い、サクッと適当に書いたのがコレです。
う~ん。見たことあるような無いようなものができてしまいました。まぁこれだけでは流れ分からないのでついでだから敵も作ることにしました。そしたらコレ。
!?。何だか不安になってきました。まぁ、とりあえず良しとして、さすがに武器とかどうしようと考えて、じゃぁそれも書くか(←フラグ)と思い、書いてみました。
…えーと、つまり「小娘がオニにヒマワリ(?)をぶつけて無双するアクションゲーム」という形になりました。時間無いといつも思ってるので混乱最中だったのもあり、無心で書くと小学生以下レベルになる自分を恨みますねコレ。
やり直しも考えましたが時間の都合で結果強行することに。まず小娘は向きとアニメパターンで基本16、移動パターンでさらに16で計32パターン。オニは後で書きますが種類を増やして使いまわすため基礎16パターン。ヒマワリの方は基本12(花部分4*顔3=12)。その他ヒマワリの茎(基本4*形違い3=12)も作成。
当然背景もいるのでそれもやります。背景はさすがに前回利用したOpenGameArt.orgから素材弄って作りました。最終的に草原系(Grass)、山系(Mountain)を参考に作成。
その他、これはぜひ入れようと思ったモノ。
普通のマウスカーソル素材(前の作品で作ってたものを色変えて流用)と、そして見やすくするために光部分(これはSprite扱い)も追加しました。前の作品の時マウスカーソルが分からない場合があったので大雑把でもいいから目印が欲しかったためです。当然分かるようにアニメパターンも追加してます。
他にもアイテム(種のつもり)や爆発エフェクト(3種類のアニメ数8で計24パターン)などなど追加。ただしゲーム部分の素材のみでタイトルや結果画面はこの日は作ってません。
なにはともあれゲーム用の素材は一旦完了。
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次にゲーム部分。
ゲーム部分ではマウスドラッグ状態で武器をキャラ前方に出し、敵に当てるだけという単純なものです。さらに言うと攻撃はキャラ前方に出すだけなのでマウス移動と連動しています。心理的に武器持って攻撃したい方向へ突っ込むのが気持ちいいと思った為ですね。
またよくありがちな要素で採用したもの、採用されなかったものがあります。
〇採用したもの
- アイテム取ってパワーアップし、武器に変化を持たせる。
- 敵が居続けることにより得点的に不利になる「侵略率」
- でかい奴ほど硬い敵の種類。
- 動きパターン数最適化(特に敵)
- 画面揺れ(カメラシェイク)
〇採用しなかったもの
- コンボ
- ヒットストップ
- 敵の攻撃
- キャラやられによるミス
- ゲームオーバー
まず採用したものですが、よくあるアイテム取りまくってパワーアップする方針へ。盛り上げを見せるため最終的に段階を多めに付けます。
このパワーアップした時のヒマワリですが、茎の部分とヒマワリの部分はオブジェクトで連なっており(茎が親、ヒマワリは子という感じ)、その時の向いている角度補正に現在角度と向きたい角度にMathf.DeltaAngleで差分抽出→その差分の割合分を向きたい角度に移動させる処理をしています。考えてみたらDOTween使えば済む話なのですが今回角度を補正する計算使ってるのココしかなかったので採用してません。
次に点数に代わるものとして敵が居続けることで増えていく「侵略率」を測るゲームにします。バランス取りの為0%や100%スタートではなく中間の50%から。要は早く敵を倒した方が有利になるシステムですが、稼ぎにアイテム(種)を取ると侵略率が何割か下がるようにしてバランス取る方向にしました。後で考えたら不安定かもしれませんが。
敵の種類も6種類に増やし、どれが強い(硬い)か分かりやすいようにSpriteの拡大を使います。また敵作成の際に、敵の顔を見せたいが為に敵の後ろ向きはわざと作ってません。時間短縮の為パターン数減らす意味もちょっとありますが、後ろ向き作らなくても横向きで上移動しても大して違和感なかったからそのままにしました。
あと演出用として画面揺れの採用ですが、ちょっとマウス移動の精密操作にスパイスを入れた感じです。この程度なら入れてもいいだろうと。ちなみに普通に入れると激しすぎるのでFPS60内では3フレーム(時間だと0.05秒)ごとに揺らすようにしています。
採用しなかったものに関して、
まずコンボですが、コンボ入れてしまうと繋がらければ気持ちよくならないという束縛がどうも気に入らない(変に敵出現があまりない状態で待って繋げるとかが面倒な)ので、それを捨ててでも気軽にやりたいと思い不採用にしました。
ヒットストップは賛否分かれそうですが個人的には効果音のタイミングの関係上不採用にしてます。ヒット時の鳴らすタイミングが連なっていなければ気持ちよくないと思った為です。
敵の攻撃不採用、ミスに関しても大体同じ理由で気持ちよくないという理由です。やりこみ層向けゲーム的にはアリでしょうけどカジュアル意識で考えたら無双中に気持ちいいことをしてるのに気持ちよくないことが入ってきてはダメだろうと思ってるので不採用。同様にゲームオーバーも入れませんでした。…まぁ面倒で時間無かったのが理由です。
以上をやり終え、基礎は終わりです。
3日目:バランス調整+タイトル
簡単にゲームバランスの調整として流れを順番に、
- まず雑魚から、すぐにパワーアップできるようにする
- 1つ上の硬い敵が出てきて動かすのに意識させる
- さらに固い敵を段階的に入れる
- 硬い中ボスっぽいキャラも入れる
- その中ボスが複数出て、さらに雑魚を一気に大量追加
- そんな最中、別のボスが出てきて盛り上がる
- 一旦小休憩風にし、最後のパワーアップをする流れにする
- 終盤
- 敵が全滅したらゲーム終了合図、この間にアイテム掃除をする感じ
こういう流れにします。特に7の小休憩って大事で、よくアクションとかシューティングでいう「WARNING」部分ですね。最後に盛り上がる感覚を目指しました。
また背景も単調にならないように朝→昼→夕方→夜→夜明け風にして、それぞれの盛り上がりの演出を作ってます。他にも霧のグラフィックをテクスチャとして加え、Transform移動をさせています。これだけでも単調にならないように出来上がったと思います。
そしてタイトル。
色合い的に明るめ+キャラが娘なのでかわいさを表す感じにしました。エッジ部分を表すため、文字の中をやや明るめ→立体感表すように若干暗めの色にして1~2ドットずらす→1番明るめ→1番暗め→花模様の丸背景という感じで作っています。
ちなみに「初明り」というのは俳句で「元旦の明け方の光」を表す季語です。そのあとの「メサキバナ」は目の先に花があるからメサキバナです。…ということでこじづけます。強引ですね…。
タイトルの背景もこの時に作りました。この日の作業は以上。
4日目:リアル事情により作業せず…
最初に書きましたがクリスマスイベントでどうしてもリアル優先したので何もしませんでした…。
強いて言うならゲームの動作チェックぐらいです。トラックボールで動かす実験とか。
5日目~6日目:チュートリアル+結果画面
ゲーム部分は3日目で一旦出来上がってる(一応この後もバランス調整はやっています)ので、チュートリアルを作ってました。基本ベースは説明通りの行動をやると次が出てくる感じ。ただ移動とか間違った行動を起こした時の為、4~5秒ほどのディレイで次の説明行くように調整しました。 「とにかく丁寧に」を優先に。
また結果表示もこの時に作りました。
雰囲気出すように太陽のちらつきとかキャラ足元とか色々やってました。
6日目:SE作りこみ
大体unity1weekで制作作業やってる時は、この日はSE関連の作りこみが殆どです。
今回も大量の効果音(ピッチ違い、フレーズ違い)を加えました。キャラ移動音、古いゲームっぽくしゃべる、敵打撃音が結構こだわった所でしょうか。
そして曲、今回は「明るめのテーマソング」を考えてみました。タイトルはアニソン風味?チップチューン。ゲーム中は最初のテーマと後半のテーマが別になってつなぎ合わせる感じで。このゲーム中の曲の方は実はちょっと難航していて、元々は2つの曲だったのですが、それをくっつけてさらに短縮した結果です。
とはいえ、今日中に間に合ってよかったです。意外とこの時がハラハラするんですよね…。
7日目:仕上げ
例のごとくWebGLテスト、ランキングとツイート、その他バランス調整を行いました。
この時に気になった事で採用したものが以下。
- マウス左クリック部分をキャラ操作のみキーボード対応(Z,SPACE,Shift,Ctrl)
- リスタート、タイトル戻りのショートカット
特に操作するときに別キーでも出来るようにするのは有効だと思います。キーコンフィグ作る手もありますが時間かかる上、キーコンフィグで設定しなければならない面倒くささ(本来便利ですけどね)でやりませんでした。こういう色んなデバイスでボタン使うのは人によってプレイスタイル違うでしょうし。
今回は省略したいものを省略したのでかなり早かったです。なので数時間前に提出。
8日目以降:見直しなど
提出したのはいいものの、やはり気になる箇所があるので付け加えることにしました。音量です。まぁやるに越したことは無いのですが、そういえばバー調整とかやったことなかったなと思ってUIいじりを…。
それとこのゲーム、最終的に突き詰めるとやや運ゲーになったため、若干微調整してます。どういう所かというと敵ヒット時の飛ばされる方向を一部こちら側へ寄るように直してます。あくまで一部で全部ではないです。まぁそれでも運ゲーですけどね。
感想ざっくり見た感じ、「気持ちいい」が多めで狙い通りでした。あとトラックボールでプレイした人も居て楽々だったという意見もあったので嬉しかったです。ただ「楽しい」かどうかは別かもしれないのでそこはまだ精進すべき個所かもしれませんね。
結果
総合:2位
楽しさ4位
絵作り8位
サウンド4位
操作性1位
雰囲気15位
斬新さ圏外
でした。(注:2021/1/10 20:00時点の結果です。変動の可能性もあります。)
言葉が出ないです。正直、最悪絵作りとサウンドぐらいだろうと思ってたら操作性が1位ですか…。初めてですよこんな事。やっぱり無双ゲームやる時に操作迷惑になるものが無かったからでしょうか。
楽しさ4位も実は意外で、多分操作+敵倒した時のレスポンス+それによる演出+一切やられない無双感が良かったのかもしれません。
斬新圏外は当然ですね。逆にコレが圏内に入っていたら自分が文句言ってたレベル。
終わりに
最初でも書きましたが年末時期なのでロクに動けなかった日々もあったのですよ。クリスマスもそうだし、正月も頭から3日までリアル都合でした。それでもできる限りチェックはしてます。
なのでunity1weekもやれる時間は限られているのでやってはいますが、それでも現在やったゲームは全体の半分も満たされてません。
気になったりした作品ややりこんだ作品は大体コメント、ツイート残してますけどそれでも足りないです。とはいえそれに限らず自分の作品にコメント、ツイート残してくれた方々に感謝いたします。
ただこんなとんでもない順位取ってしまったので次回やるのがすごくプレッシャーになってます。下手したら次回でunity1weekやめるかもしれません。色々怖くて。まぁそんなことないように時間確保はしておきたい所です。
最後に、
unity1weekはあくまでも制作を楽しむ「イベント」であり、他人がゲームプレイして感想もらう場所に過ぎません。ランキング上位取ってますけど評価数、閲覧数とか全然バズってない時点で所詮凡人って思ってます。本当の勝ち組は順位関係なく作者さん、その他関係者から信頼得ている人たちです。なので自分にとってunity1weekは貴重なunity開発者の気軽な社交の場です。コンテストを装っておきながら中は巨大な公園のような感じ。こんな素晴らしい場所滅多にないです。(書いてる人普段多忙なのでロクにチェックできてない…)
unity1weekは他のゲームコンテストと違って「作品は遅刻だろうが結果発表後だろうがいつでも提出できる」「複数人の開発OK」「評価は結果発表後でも変動するので実質評価期間無し」があります。自分は1週間でできるかのシミュレーションを今まで遅刻せずやってきてますが今回に関しては遅刻でもよかったぐらいです。こんな感じでフリーダムでやっております。
それでは締めたいと思います。ゲーム作った皆様も、プレイした皆様も、unity1weekお疲れさまでした。
今回も非常に有意義な時間を過ごさせてくれました。(そして多忙へ…)
では。